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研修会報告:12/14(日) 全国認定こども園協会 保育DX推進委員会主催 『安全のためのDXは、“効率化”ではなく“信頼化”』

12/14(日)、全国認定こども園協会 保育DX推進委員会主催の研修会において、当法人理事長・齋藤祐善(同協会 理事)が登壇しました。

本研修会は、2026年4月に本格施行される「こども誰でも通園制度」を見据え、0~2歳児を中心とした新たな通園・保育形態における安全確保のあり方をテーマに開催されました。

不規則な利用や、初めて集団で過ごす子どもが増えることが想定される中、午睡時の事故やヒヤリハットなど、初期預かり環境における安全リスクへの対応が重要な課題となっています。

本研修では、新しいルールを追加するのではなく、散在する制度や基準のズレ・重なりを整理し、現場の判断で使える「実効性のある安全ガイドライン」づくりの第一歩とすることを目的に、医療・保育・DXの各立場から議論が行われました。

オープニングでは、齋藤祐善(全国認定こども園協会 理事/学校法人正和学園 理事長)より、本研修の趣旨として、制度や施設類型の違いを越えて「子どもを真ん中に据えた安全」を共通の視点として捉え直す必要性が示されました。

続く講演では、
小保内俊雅 氏(東京都立多摩北部医療センター 小児科部長/日本小児突然死予防医学会 理事)より、医療安全の視点から、午睡中の事故リスクや入園初期・不慣れな環境における注意点が、科学的データをもとに解説されました。

猪熊弘子 氏(駒沢女子短期大学 教授)からは、「子ども主体の保育」と「安全」は対立するものではなく、保育者が子どもの意思を読み取り、翻訳しながら関わることの重要性が示されました。

土岐泰之 氏(ユニファ株式会社 代表取締役CEO)からは、IoT・AIなどのテクノロジーは業務の効率化だけでなく、保育の「信頼性」を支えるための基盤であり、人の目とテクノロジーによる補完関係が安全確保に有効であることが紹介されました。

第2部のパネルディスカッションには、
猪熊弘子 氏、小保内俊雅 氏、土岐泰之 氏、新保雄希 氏(全国認定こども園協会 理事)、堀昌浩 氏(一般社団法人ラーニングジャーニー代表/認定こども園 園長)が登壇し、誰でも通園制度における不規則な利用が安全管理に与える影響や、「不慣れな環境」が子ども・保育者双方にとってリスクとなる点、またDXが現場の判断や情報共有をどのように支えられるのかといった課題が提起され、活発な意見交換が行われました。

本研修は、誰でも通園制度時代における安全を改めて捉え直し、実効性のある安全ガイドラインづくりに向けた第一歩となりました。
全国認定こども園協会 保育DX推進委員会では、今後も医療・保育・テクノロジーの知見を横断的に結びながら、現場で実際に活用できる安全の仕組みづくりと、継続的にアップデート可能なガイドラインの検討・発信に取り組んでまいります。