物語メニュー


★あっという間に季節が変わり、梅雨の時期ももう目前です。

春の時期をお外でめいっぱい楽しんでいた子どもたちも、お部屋の中での活動を充実させていく頃。

先日、つながりグループの総園長先生の齋藤美智子先生を迎え、給食会議をひらきました。

先月の給食への子どもたちの反応はどうだったか、量や味はどうだったか、振り返り給食室と共有します。

そして、美智子先生からレクチャーいただき、物語メニューの大切さをみんなで再確認しました。



★物語メニューとは、絵本をはじめとした物語に登場する人物や食べ物をモチーフにした献立のこと。

たとえば、ぐりとぐらのカステラ。ももたろうのきびだんご。おおきなかぶを模したごはん。などなど

その他にも、さまざまな動物や季節をかんじるモチーフを取り入れたりしながら、食育を「楽しく夢のある食事」にむすびつけます。

私たち学校法人正和学園と系列を同じくする、しぜんの国保育園により編集された本の文章を一部紹介します。

~『食育』という言葉に代表されるように、食事を通して育ちを促進していくことは非常に大切ですが、「楽しさ」や「遊び心」を中心に据えない限り、
子どもへのアプローチとして不十分になってしまうことでしょう。~

(引用:社会福祉法人東香会編『保育園・幼稚園から生まれた物語メニュー~食の楽しさ再発見~』ごま書房2004年)


★つながりシェア保育園では、子どもの感性を豊かにはぐくむ物語メニューを毎月の献立に取り入れています。

先日の献立のテーマは、みんなが大好きな「きんぎょがにげた」(五味太郎作、福音館書店)。

きんぎょに型取った人参を、人参ごはんの中に隠しました。



ある2才さんは、にんじんのきんぎょを見つけて「きんぎょがにげただ!」と大喜び。



だけど、せっかく見つけたにんじんは食べられませんでした。理由を聞くと、きんぎょがかわいそうだから、ですって。

1歳さんたちも、きんぎょを探してキラキラ目を輝かせた子も、見たことのない形のにんじんを敬遠した子も、反応はさまざま。

楽しいおいしいごはんの時間でした。



当園でのランチタイムは、「大きな家族」のように子どもも大人も全員で同じ机を囲んでいます。

小規模だからこそできる食事風景と、考え抜かれた献立を通して、食への興味、楽しさ、おいしさ、みんなで食べることのうれしさ、

そういった感覚をゆっくりはぐくんでいけるといいな、とかんがえる日々です。